インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表

通販事業の配送・梱包に関するクレームやコロナ対策への不満が多数投稿

〜14,123社を対象にSNS等で投稿された口コミや評判から悪評・クレームを抽出し集計〜

・コロナに合わせた三密回避やキャンセル対応を求める声が悪評に繋がりやすい実態も
・商品やサービスに関わる内容だけでなく、企業体質を原因とするクレームも多い

AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、14,123社を対象に、2021年にSNS等インターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判から悪評・クレームを抽出し、「インターネット上で悪評・クレーム多い上位10業種」を集計しましたので発表します。

 ■調査背景
現代において、SNSやインターネット情報を参考に意思決定を行うことは一般的となりましたが、コロナ禍で非対面の商取引が習慣化したことにより、企業や商品に対するオンライン上の口コミや評判は、生活者にとって今まで以上に重要な情報源となりました。

急速にデジタル社会が発展する中、企業の持続的なビジネス成長には、オンライン上にある生活者のリアルな声を適切に収集し分析をするソーシャルリスニングや、自社の評判やブランドイメージを維持・向上させるためのレピュテーションマネジメントに取り組むことが必要不可欠な世の中となっています。

アラームボックスはこれまでAI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」の提供を通して、膨大なネット上の口コミや情報を収集・解析をしてきました。これらの背景から、当社では、企業活動や与信管理において、これらの定性情報の重要性と活用法を啓発すべく、本調査の実施と発表に至りました。

■悪評・クレームの業種別ランキング

※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に区分けを行っています。
※具体的な業態は<調査結果詳細>の中で記載しています。

■主な調査結果と考察
業種別でのオンライン上に存在する口コミ情報などの定性情報を分析した結果、通販事業、コロナ対応、不当な顧客体験に関連する悪評・クレームが多く発生していることがわかりました。

  • 通販事業

通販事業においては、特に配送や梱包に関するクレームが目立ち、かつ同じ内容の投稿が頻繁に見られました。通販関連での顧客体験の投稿が多く見られる一方、これらの情報を活用しきれず、適切な改善策を実施できていない企業は、継続的に同じ内容のクレームが発生していると考えられます。

  • コロナ対応

昨今のトレンドであるコロナ禍での企業対応については、宿泊業と航空運送業において、悪評・クレームが多くなる傾向がありました。具体的には、三密回避や消毒対策、キャンセル時の対応に関する内容が目立ち、前代未聞の状況下においても、顧客対応を間違えると、クレームが集中してしまう実態が明らかになると共に、即時性の高いインターネット情報を活用し、迅速な改善策を取ることが必要不可欠であるとも言えます。

  • 商品やサービス、企業体質に関わる悪評・クレーム

脱毛サロンやエステなどのサービス、ネットバンクのアプリやオンライン手続き関連、格安スマホのサービス提供など、ビューティ系やトレンド性の高い商品、または生活に密着した商品やサービスに悪評・クレームが集まりやすい一方、企業や業界の体質に関わる内容も目立つ結果となりました。具体的には、無店舗小売業での過剰な広告出稿、賃貸保証業での悪質な取り立てや電話、単価の高い商材を扱う業態での押し売りなど、顧客に対する行き過ぎた行動に関わる内容が目立ちました。昨今のデジタル社会において、不当な顧客体験はすぐにネット上に投稿、拡散されるため、その後の企業成長にも影響があり、企業が与信管理を行う上でも、取引先の評判に関わる内容を考慮に入れた上で、与信判断をする事が重要であると言えます。

■調査結果詳細
1位 無店舗小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.76件
主な事業:通販事業

通販事業の中には飲食料や衣服など様々な品目がありますが、クレームが多かったのは総合通販を行う企業でした。扱っている品目が多く、複数の店舗(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon、自社サイトなど)を運営していることが多く、消費者との接点も増えるため、クレームの増加に繋がる傾向が見て取れます。また、美容品の通販でクレームが多かった企業は、過去に行政処分を受けている、過剰な広告に対して企業自身がアフィリエイターに勧告する事態になっているなど、商品以外での悪評が目立ちました。

2位 補助的金融業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.63件
主な事業:賃貸保証、投資運用プラットフォーム提供、両替業など

補助的金融業の中で、主に悪評・クレームが多かったのは賃貸保証事業を営む会社でした。「退去済みなのに恫喝するような電話が来た」「悪質な取り立て方をされた」などのクレームが多く見られました。但し、賃貸保証会社の中でもクレームが無い企業も多く、今回の調査から確認できた悪評は一部の社員や企業の行動に集中していました。

3位 その他の小売業:1社あたりの平均悪評・悪評クレーム数:3.03件
主な事業:飲食、衣服、機械、百貨店、スーパーを除いた小売業

現代では、多くの小売業が通販事業にも進出しており、通販事業を手掛けている企業の方が、店舗のみの販売をしている企業よりも、クレームが増える傾向にありました。また、店舗に対するクレーム内容を分析すると、眼鏡やスイミングウェアなど単価の高い商品を扱う企業に悪評が集中する傾向にあり、内容を見ると、商品の押し売りや保証サービスの質の悪さに対するクレームが多く見られました。

4位 洗濯・理容・美容・浴場業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.80件
主な事業:サロン運営、クリーニング店、銭湯など

主にクレームが多いのは脱毛サロンやエステサロンなどのエステティック業でした。特に脱毛サロンは、以前よりも一般的なサービスとなってきていることにより「予約が取れない」といった内容が多いほか、「学生なのに高額なコースを無理やり契約させられた」といったような悪質なクレームも散見されました。

5位 宿泊業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.77件
主な事業:ホテル、旅館、学生寮など

コロナ禍の影響が大きい宿泊業については、三密の回避や消毒の不十分さなど、コロナ禍の対応に関連するクレームが多く発生していました。また、低価格を売りにしたビジネスホテルよりも、いわゆる高級とされるリゾートホテルやシティホテルの方が、クレームが多く発生しているという特徴がありました。

6位 航空運送業・水運業・鉄道業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.24件
主な事業:航空会社、クルーズ船、鉄道など

航空運送業でのコロナに関連するキャンセル事情にクレームが集中していました。感染症拡大下での事業活動という前例の無い状況において、顧客への対応を間違えてしまうと、クレームが集中する傾向が見て取れます。

7位 銀行業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.23件
主な事業:都市銀行、地方銀行、ネットバンクなど

近年はネットバンクが台頭しているほか、各銀行でもデジタル化が進んでいることを背景として、アプリやネット上の手続きに関する機能面での悪評が散見されました。また、一部の銀行では、グーグルマップなどで店頭での接客対応に関するクレームが書き込まれていました。

8位 道路旅客運送業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.19件
主な事業:タクシー、ハイヤー、路線バス、貸切バスなど

クレームが集中していた業態は、主にタクシー会社でした。顧客の乗車体験に関する内容だけでなく、交通違反を目にした周辺の住民による投稿や、中にはナンバープレートの番号と共に悪評が書き込まれている例もあり、個人の特定に繋がるクレームが見られたのが特徴的でした。

9位 通信業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.05件
主な事業:携帯キャリア、ネット回線サービス、プロバイダ代理販売店など

スマートフォンやPCの普及によりネット回線やWi-Fiのサービスは多様化し、近年は大手キャリア以外のいわゆる「格安スマホ」も主要な選択肢の1つとなっています。しかし「格安スマホ」を提供する一部のキャリアに関して、「キャンペーン内容がわかりにくい」「カスタマーサポートの対応が悪い」といったクレームが多発しており、未だ安定したサービス提供には至っていない実態が見て取れます。また、ネット回線の代理販売店の営業手法に対する悪評が目立ち、サービス自体のイメージ毀損に繋がる内容が多く見られました。サービス提供元の企業は、代理店管理の1つとして口コミ情報を利用することが重要であると言えます。

10位 不動産取引業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.01件
主な事業:不動産代理業・仲介業、建物売買業など

主に、営業手法についてのクレーム、もしくは、住宅の質の悪さに対するクレームが多く発生していました。また、顧客以外にも、建築中の住宅の近所に住む人からの「工務店が長時間作業しており騒音に困っている」「道を塞いでいて態度が悪い」などのクレームも掲示版やSNSを通して見受けられました。

■調査概要
調査期間:2021年1月1日〜2021年10月31日
対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業17,764社のうち、業種登録がされていた14,123社
対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの

アラームボックス株式会社
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